水リサイクルが重要な理由
十分な飲料水供給
人が飲用に利用する水は、湖や川などの表層水、地下水(帯水層の水)が主です。一部は氷河の融解水や逆浸透プラントから供給されます。地球上の水のうち淡水は全体の2.5%しかなく、その70%は氷として凍結しています。つまり、飲料水として利用できるのは地球の水の0.75%に過ぎません。この限られた資源を有効に管理することが重要で、リサイクルは安全な飲料水確保の鍵となります。
健康維持
汚染された飲料水の摂取が原因で発生する疾病は多数あります。水中の寄生虫、細菌、糞便汚染は世界中で病気や死亡を引き起こし、その死亡者数は全戦争による死者数を上回ります。現在、数秒に1人が汚染水に起因する死亡と推定されています。適切な水リサイクルは浄化・殺菌を行い、病原菌や糞便を除去して健康リスクを低減します。
無駄の防止
米国では1人当たり1日80〜100ガロン(約300〜380リットル)もの水を使用します。最低必要水量は約13ガロン(約50リットル)で、これ以下になると健康に支障が出ます。中国、インド、発展途上国の多くの地域では、米国が当たり前に使う水量のほんの一部しか利用できません。リサイクルは使用済みの水を再利用することで、無駄な消費を抑えます。
農業生産への貢献
雨水は地下水を補充し、再生可能な資源となりますが、降雨量が利用量を下回る地域もあります。米国のオガララ地下水層は過剰に汲み上げられ、現在は経済的にくみ上げが困難な状態です。それでも、この地下水は広大な農業用灌漑に不可欠で、全食料の大部分を支えています。効果的なリサイクル策は地下水の枯渇を遅らせ、持続的な作物生産を可能にします。
生態系保護
使用後の廃水には栄養塩、細菌、化学物質など多くの汚染物質が含まれます。人間の排泄物や農業用肥料が海へ流れ込むと、栄養塩が藻類の大量増殖(藻類ブルーム)を引き起こします。藻類が死滅・分解すると酸素が消費され、水域の酸欠が進み、生態系崩壊、魚類大量死、サンゴの白化などが発生します。水リサイクルは廃水を浄化し、これらの環境被害を抑制します。
環境への影響
水リサイクルはエネルギー消費の削減や温室効果ガスの排出抑制にも寄与し、持続可能な社会構築に不可欠です。
