心肺蘇生(CPR)の合併症
米国心臓協会によれば、CPR(心肺蘇生)は胸部を1.5〜2インチ(約4〜5センチ)押し下げる必要があり、1回の圧迫に約100ポンド(45kg)の力が求められます。その強い圧迫により、様々な合併症が生じることがあります。CPRを受けた患者の生存率は大幅に向上するため、一定のリスクは許容されますが、負傷の程度は軽度から重度まで幅があり、重症例では集中治療が必要になることもあります。
肋骨骨折
肋骨骨折は致命的になることは稀ですが、胸部圧迫による骨折は痛みや呼吸困難を引き起こすことがあります。主な症状は呼吸数の増加、動揺・不安、胸部の圧痛です。通常は数か月で自然に治りますが、肺炎などの二次感染を防ぐために鎮痛薬で痛みを管理する必要があります。特に小児や高齢者は骨折リスクが高く、胸骨や胸骨柄の骨折も起こり得ます。
肺挫傷
胸部圧迫の圧力により肺に小さな打撲(肺挫傷)が生じることがあります。軽度から重度まで症状に差があり、重症例は集中治療と人工呼吸が必要です。軽度の場合は酸素投与と経過観察で回復します。
前縦隔出血
胸部圧迫で毛細血管が損傷し、前縦隔に血液や体液が貯留することがあります。これにより呼吸困難や低酸素血症が起こります。主な症状は血痰や胸痛です。治療には胸腔ドレーンの挿入が必要です。
誤嚥
胸部圧迫中に嘔吐が誘発され、胃内容物が気道に入る(誤嚥)ことがあります。誤嚥は気道閉塞や感染、肺組織障害を引き起こし、重篤な合併症となります。
