CPRの手順とポイント
心肺蘇生法(CPR)は、窒息、心臓発作、溺水、心停止などの緊急事態で命を救う可能性があります。ワシントン大学医学部によれば、CPRを実施することで心臓発作の生存率が約50%向上します。CPRを正しく行うことで、救急隊が到着するまで血液と酸素を脳へ送り続けることができます。
1. 救急要請
被害者にCPRが必要と判断したら、すぐに救急電話(日本では119)をかけます。電話をかけながら、周囲が安全か確認し、電線が倒れていたり火災が近くにある場合は、被害者を安全な場所へ移動させます。
2. CPRのABC
CPRは「ABC」の順序で行います。
- A(Airway):気道が確保されているか確認し、閉塞がないようにします。
- B(Breathing):呼吸があるか確認します。
- C(Circulation):血液循環を維持するために胸骨圧迫を行います。
3. 気道の確認
被害者の額に片手、首の後ろにもう一方の手を置き、顎を上げて気道を開きます。異物がある場合は、危険がなければ慎重に取り除きます。次に、鼻と口に耳を近づけて呼吸の有無を確認し、呼吸がない場合は人工呼吸の準備をします。被害者が不安定な場所にいる場合は、平らな地面に移動させてから胸骨圧迫を行うと効果的です。
4. 人工呼吸(救助呼吸)
鼻を指でつまみ、顎を上げて口を開きます。自分の口で被害者の口を密閉し、1秒程度で2回、ゆっくりと息を吹き込みます。胸が軽く上がることを確認しながら行い、2回の呼吸が終わったら胸骨圧迫に移ります。
5. 胸骨圧迫
胸骨圧迫は血液循環を維持するために必要です。胸の下部(胸骨の下1/3)に両手を重ね、肘を伸ばしたまま、深さ1.5〜2インチ(約4〜5cm)で速く圧迫します。1分間に100〜120回のリズムが目安です。
6. CPRの継続
30回の胸骨圧迫を行い、続いて2回の人工呼吸を実施します。このサイクル(30圧迫+2呼吸)を救急隊が到着するか、他の救助者が代わるまで繰り返します。
7. 子どものCPR
子どもに対しては、胸骨圧迫は片手で行い、圧迫の深さは成人の半分程度(約2〜2.5cm)に抑えます。人工呼吸はやさしく行い、1回の呼吸は約1秒です。救急電話をかける前に、5回の圧迫と呼吸のサイクルを実施し、その後も同様に継続します。
CPRは訓練が必要ですが、基本手順を理解し、緊急時に落ち着いて実行できるように備えておくことが重要です。
