飲料水に検出された気分安定剤とは
気分安定剤とは
気分安定剤は双極性障害や境界性パーソナリティ障害の治療に用いられる薬で、抗てんかん薬、リチウム、抗うつ薬、抗精神病薬などが含まれます。これらは患者の躁状態やうつ状態をコントロールする目的で処方されますが、米国の飲料水供給網でも検出されています。
実態
検出された濃度は極めて低いものの、ホルモン、抗生物質、鎮痛剤、血液凝固阻害剤、心臓薬と同様に、微量の医薬品が飲料水や河川、地下水に存在しています。現在、廃水処理や飲料水処理ではこれらの薬剤を除去できておらず、連邦政府は安全基準や定期的な検査を義務付けていません。
水供給への流入経路
薬は人間の使用だけでなく、畜産業や獣医療からも流入します。服用後に代謝されずに排泄された薬や、使用済み薬のトイレへの流し込み、家畜への抗生物質・ステロイド投与、ペットへの治療薬がすべて水系に浸出します。
潜在的な危険性
これまでの毒性評価は高濃度の化学物質に焦点が当てられ、低濃度の医薬品が長期間にわたり摂取された場合の影響は十分に研究されていません。しかし、医薬品は人体に作用するよう設計されているため、微量でも水生生物や人間の細胞に影響を与える可能性があります。EPAは安全飲料水法の対象薬剤として数百種を検討中です。
考え得る対策
ジョージ・ワシントン公衆衛生大学校は、以下の対策を提案しています。
- 薬剤の環境影響評価を義務付けるFDA規制の改正
- 薬の適正処分に関する教育と啓発
- 畜産業における薬剤使用の管理強化
- 水処理施設の技術向上と汚染源の直接管理
- 欧州連合の規制事例の研究
- 水インフラへの投資拡大
