対流圏における主な汚染物質とその影響

地球の大気は5層に分かれ、最も低い層が対流圏です。地表から約7〜20km(約23,000〜65,000フィート)まで広がります。この層に捕らわれた汚染物質は環境破壊や健康被害を引き起こします。

オゾン

オゾンは酸素の同素体で、成層圏では紫外線を吸収して保護層を形成しますが、対流圏では汚染物質となります。工場や自動車から排出される窒素酸化物や炭化水素が紫外線と反応して生成され、呼吸器系の障害や作物・森林への被害、ゴムやナイロンなどの劣化を引き起こします。

温室効果ガス

温室効果ガスは太陽光を吸収し、地表から放射される赤外線を閉じ込めて大気を暖めます。主な成分は二酸化炭素、窒素酸化物、メタン、エアロゾルに使用されるガスです。米国エネルギー情報局によると、化石燃料の燃焼による二酸化炭素排出が全温室効果ガス排出の約82%を占めます。埋立地や肥料、石炭採掘、工業プロセスからも窒素酸化物やメタンが放出され、海面上昇や異常気象を招きます。

一酸化炭素

一酸化炭素は無色・無臭のガスで、燃料が不完全燃焼した際に生成されます。米国環境保護庁(EPA)によれば、自動車の排気が米国の排出量の約56%を占めます。森林火災や家庭の薪焼き、化学工業でも放出され、中枢神経系や心血管系に影響を与え、健康被害やスモッグ形成の原因となります。

窒素酸化物

対流圏での窒素ガスの分解により二酸化窒素や一酸化窒素といった窒素酸化物が生成されます。雷、車両排気、バイオマス燃焼が主な発生源です。自動車の触媒コンバータは排出を抑制しますが、これらは水蒸気と反応して硝酸を生成し、酸性雨や成層圏のオゾン層破壊に関与します。

硫黄酸化物

硫黄酸化物は有毒な硫黄化合物で、呼吸器系に障害を与えます。火山噴火や石油・石炭の燃焼が主な源です。大気中の水蒸気と結合して硫酸を生成し、酸性雨の原因となります。

揮発性有機化合物(VOCs)

揮発性有機化合物(VOCs)は常温常圧では液体や固体ですが、対流圏ではガス状になります。農業、工業、車両排気、石油精製、溶剤使用など人為的活動や、森林火災、樹木、動植物の自然放出が供給源です。VOCsは成層圏オゾンの減少、スモッグ形成、温室効果に寄与します。

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