油流出の清掃手順
油流出は、タンカーの座礁や軍事攻撃による油井の破壊、老朽化したパイプライン、海上掘削装置の漏出など、さまざまな原因で発生します。油流出の清掃にはいくつかの方法があり、状況に応じて最適な手段を選択します。
封じ込めとスキミング
事故直後に清掃チームが現場に到達できる場合、まずは浮体式バリア(ブーム)で油膜を囲い、拡散を防ぎます。その後、真空吸引装置や油吸着ロープを用いて表面の油をすくい取ります。この方法は油がまだ水中で薄いうちに実施するのが効果的です。1989年のエクソン・バルディーズ号の流出では、清掃隊が遅れて到着したため、粘度が上がった油がスキミング装置を詰まらせました。
化学的・生物学的剤の使用
化学分散剤は油を微細な粒子に分散させ、環境への影響を低減します。分散された微小油滴は自然に存在する油分解菌により分解されやすくなります。1991年の湾岸戦争時のアラビア湾流出や、エクソン・バルディーズ号の清掃でも分散剤が使用されましたが、陸上からのアクセスが困難だったためヘリコプターで投下されました。
また、窒素やリンを含む肥料などの生物学的剤を沿岸に散布することで、油を自然に分解できる成分に変え、野生動物への影響を抑えることができます。
現地燃焼(インシチュバーン)
油膜に直接火を付けて燃焼させる方法は、最も効率的かつ低コストです。ただし、燃焼時に有毒な煙が発生するため、住宅地付近では使用できません。また、風が弱い条件でのみ実施可能です。エクソン・バルディーズ号の流出時には現地燃焼が成功しましたが、風向きが変わったため中止されました。
