がんを誘発する汚染物質とは
がんのリスクを高める汚染物質は、空気・水・食品・放射線などさまざまな経路で人間に曝露します。以下では主な汚染源とそれぞれががんに与える影響を解説します。
空気汚染物質
光化学スモッグ(揮発性有機化合物(VOCs)と窒素酸化物が太陽光と反応してできる混合物)は、大都市圏でがんの原因となります。米国環境保護庁(EPA)の調査によると、全米平均で人口100万人あたり36件のがんが報告されていますが、ロサンゼルス郊外の高速道路沿いでは1,200件(全国平均の34倍)に上ります。ロサンゼルス郡全体でも人口100万人あたり63件と、全国平均の約2倍です。これらのデータは、特にディーゼルエンジンの排気が主要な汚染源であることを示しています。
水質汚染物質
水中の汚染物質もがんリスクを高めます。代表的な例は六価クロム(Cr(VI))です。皮革なめし、クロムめっき、木材防腐などの産業で副産物として排出され、ヒトと動物の発がん性が確認されています。六価クロムに曝露した人は肺がんや胃がんの罹患率が上昇します。その他、臭素酸塩、ジクロエチレン、ビニルクロライド、テトラクロロエチレンなどもがんの原因とされています。
食品汚染物質
国立がん研究所(NCI)の調査によると、肉のクレアチンとアミノ酸が高温で反応するとヘテロサイクリックアミン(HCA)が生成されます。週に4回以上牛肉を食べる人は、そうでない人に比べて胃がんのリスクが約2倍になると報告されています。ただし、調理温度と時間が重要で、レア(低温)で調理した牛肉はHCAが少なく、がんリスクは低いとされています。
以上のように、空気・水・食品に含まれる特定の化学物質はがんのリスクを増大させます。生活環境や調理方法に注意し、汚染源への曝露を最小限に抑えることが重要です。
