肉産業が地球温暖化に与える影響
はじめに
FAO(国連食糧農業機関)の調査によると、0.5ポンド(約0.23kg)のハンバーグ肉を生産すると、3000ポンド(約1360kg)の自動車を10マイル走らせたのと同じだけの温室効果ガスが排出されます。産業や交通が主な原因とされがちですが、私たちの食事も地球温暖化に大きく関わっています。特に肉は、生産プロセスが複雑であるため、排出量が顕著です。
飼料の供給
牛を育てる前に、草や穀物など大量の飼料が必要です。このため、飼料専用の農業部門が拡大し、森林伐採が進みます。伐採された森林は自然の炭素吸収源を失い、さらに化学肥料の使用が増えて化石燃料の消費も増大します。
牛の飼育
放牧地はしばしば森林や熱帯雨林といった複雑な生態系を犠牲にして確保されます。ブラジルでは、放牧地確保のための伐採が熱帯雨林減少の60〜70%を占めています。焼畑による伐採は、土壌中の炭素を大気中に放出し、温室効果ガスを増やします。肉需要の拡大に伴い、森林破壊は加速しています。
輸送と機械
肉は生産地から遠く離れた食卓へと運ばれます。冷蔵・衛生管理を保ちつつ長距離輸送するには大量の化石燃料が必要です。また、飼料や肉の生産に使用されるトラクターや農機具もほとんどが化石燃料で動いています。
糞尿とメタン
家畜は全メタン排出量の37%、亜酸化窒素排出量の64%を占めています。糞尿が分解される際に放出されるガスは、二酸化炭素の23倍(メタン)や296倍(亜酸化窒素)もの温暖化効果があります。バイオディジェスターなどの回収技術はありますが、導入が不十分で効果は限定的です。
FAOの推計では、肉の生産は全温室効果ガス排出量の14〜22%を占め、今後肉消費が増えるとさらに上昇する恐れがあります。
