プールで起こる化学反応とその影響
プールの清掃や衛生管理には、塩素、消毒剤、アルカリ度調整剤、pH調整剤、塩素安定剤、藻類防除剤、フィルター補助剤などが使用されます。これらの化学物質は互いに、また水中の人間と反応し、においや色の変化だけでなく、泳ぐ人の体にも影響を与えることがあります。
アレルギー反応
パーデュー大学の研究によると、汗や尿が高濃度の塩素と混ざると呼吸器系のアレルギー反応が起こることが分かっています。泳ぐ人は汗、化粧品、日焼け止め、排泄物、尿などでプールを汚染します。公共のプールや自宅のプールで「塩素のにおい」を感じるのは、実際には塩素と反応してできたクロラミンという副生成物です。クロラミンは目や皮膚、呼吸器に刺激を与えることがあります。プールに入る前にシャワーを浴び、腸の疾患がある場合は入泳を控えることで汚染を減らすことができます。
髪の緑変色
プールの水に含まれる銅などの金属イオン(藻類防除剤や配管・設備から出る)と髪のたんぱく質が結合し、特にブロンドやブリーチした髪で緑色に変色します。黒髪では目立ちにくいですが、緑変色を防ぐにはスイミングキャップの着用が有効です。キャップが苦手な場合は、泳いだ後にしっかりと髪をすすぎ、やさしいシャンプーで洗い流すと良いでしょう。
水由来の疾患
pH値と塩素濃度は相互に影響し合います。pHは水の酸性・アルカリ性を示す指標で、0(強酸性)から14(強アルカリ性)まであり、7が中性です。プールは目に刺激を与えず、塩素が腐食しにくいよう、pHを7.4〜7.8の弱アルカリ側に保つのが理想です。塩素濃度は1.0〜4.0 ppm が目安とされています。
pHが低すぎると金属が溶出して壁に染みやすく、目が刺激され、塩素がすぐに失われます。逆にpHが高すぎると塩素の作用が低下し、濁りや壁の変色、フィルターの負荷増大が見られます。適正な塩素とpHを保つことで、細菌や汚れの除去が効果的になり、アレルギーや感染症のリスクを低減できます。プール用試験紙を使えば、塩素とpHを簡単に測定できます。
