有害藻類が問題になる理由
淡水と海水の有害藻類
現在、特に懸念されている有害藻類は2種類あります。淡水に生息するものはシアノバクテリア(通称ブルーグリーン藻)で、海水に生息するものは疑似ニツシア(Pseudo-nitzschia)です。シアノバクテリアは窒素が増えると大量増殖(ブルーム)を起こし、疑似ニツシアは水中のミネラルバランスの変化で問題が生じます。
シアノバクテリア(ブルーグリーン藻)
シアノバクテリアは世界中のゆっくり流れる水や静水に分布し、日光と窒素が豊富になると急速に増殖します。通常は他の水生植物が窒素を吸収してバランスが保たれますが、窒素が過剰になるとブルームが発生します。シアノバクテリアが産生する毒素には肝臓毒、神経毒、消化管障害を引き起こすアルカロイドなどがあります。
疑似ニツシア(Pseudo-nitzschia)
疑似ニツシアは海水藻で、窒素を利用して増殖しますが、窒素だけが毒素産生の原因ではありません。シリケート、リン酸、鉄などの濃度が低下すると、神経毒であるドモ酸(ドモイック酸)の産生が促進されると考えられています。疑似ニツシアは海洋食物網の重要な構成要素であるため、完全に除去することはできません。ドモ酸の発生は人畜の排泄物や農業排水などの栄養過多と関連していますが、詳細なメカニズムは未解明です。
水生生物への影響
シアノバクテリアと疑似ニツシアは、魚類や貝類などの水生生物に深刻な影響を及ぼします。シアノバクテリアは魚を中毒させ、ブルーム後の大量死に伴う分解で水中の酸素が減少し、低酸素状態でさらに多くの魚が死にます。疑似ニツシアは貝類に蓄積され、これを食べた動物や人間に毒性をもたらします。また、疑似ニツシアのブルームは富栄養化を引き起こし、同様に水中の酸素欠乏を招きます。
まとめ
有害藻類の増殖は主に窒素やその他の栄養塩の過剰供給、そして水中ミネラルバランスの変化が原因です。適切な栄養管理と水質モニタリングが、ブルームの発生抑制と生態系保全に不可欠です。
