起源

18世紀ロシアで氷や木のそりを使い、氷の斜面を滑り降りる遊びがジェットコースターの原型となりました。そりは砂で止められ、フランスへ伝わると木製のローラーとワックス加工した滑走路が用いられましたが、操作が難しく事故が多発しました。19世紀半ばには、最初のループ型コースターが試みられましたが、事故により政府の介入で中止されました。

鉄道の登場

1827年、米国のマウチ・チャンク鉄道は重力を利用して炭鉱用の車両を山下へ18マイル運び、後にミュールや蒸気機関で戻すシステムを構築しました。すぐに観光用の乗り物へ転用され、1870年には鉄道自体が遊園地のアトラクションとしてのみ運行されました。1938年まで営業し、事故は極めて少なかったと記録されています。

観光からスリルへ

本格的なコースターは1890年に登場し、当初は景観を楽しむための乗り物でした。やがて乗客はスリルを求めるようになり、安全対策が重要課題となります。1898年に円形のループが再挑戦されましたが、遠心力で乗客の首が損傷し失敗に終わりました。逆さまに走るインバーテッドコースターが実用化されたのは、1975年に登場した「コークスクリュー」が最初です。

安全の先駆者:ジョン・ミラー

1920年代に活躍したジョン・ミラーは、車両が脱線したり後退したりしないようにするブレーキや、車体のバーをロックする機構を多数開発しました。現在でも多くのコースターで使用されている、頂上で聞こえる「カチッ」というラチェット音は、ミラーが考案したブレーキシステムに由来します。彼の設計は現在ほとんど稼働していませんが、業界標準の安全技術として受け継がれています。

現代の安全基準

今日のジェットコースターは、歴史から得た教訓と最新の材料・制御技術を組み合わせ、安全性を徹底しています。設計者は常に「スリル」と「安全」のバランスを追求し、乗客が安心して楽しめる乗り物を提供しています。