SARS(重症急性呼吸器症候群)の歴史
SARS(重症急性呼吸器症候群)は、風邪の原因となるコロナウイルスの亜種です。世界保健機関(WHO)は、2002年末から2003年夏にかけての流行で、8,000件以上の感染が確認され、そのうち900人以上が死亡したと報告しています。
初期アウトブレイク
発生源は中国・広東省でした。SARSの致死性が判明したことで、重篤なインフルエンザ様症状を示す患者の隔離が標準手順となりました。2003年3月13日、カナダ・トロントで患者が死亡し、世界的なパンデミックへの不安が高まりました。
世界的な対応
WHOは迅速に対応し、当初はイタチ科のシベット(ムササビ)がウイルスの宿主と考えられました。広東省はシベットの販売・摂取を禁止し、飼育されていたシベットの全滅を命じました。各国は厳格な隔離措置を実施し、流行は抑えられました。2004年以降、新たなSARS症例は報告されていません。
アウトブレイク後の研究
2005年、中国のツツジウシ科のコウモリでSARSに極めて似たウイルスが発見されました。その後、オハイオ大学の研究チームは、コウモリから中間宿主を介して人へ、さらに人からシベットへとウイルスが伝播した可能性を示しました。しかし、正確な伝播経路や中間宿主は未だ特定されていません。
