南アフリカの有毒なクモたち

南アフリカは面積471,443平方マイル(約122万平方キロメートル)に及び、アフリカ大陸の最南端を占めます。国内には多様な野生動物が生息し、クモだけでも3,000種以上、67科に分類されています(Martin R. Filmer『Southern African Spiders: An Identification Guide』)。その中で人間に害を及ぼすほどの毒を持つ種はごく限られています。

ブラック・ボタン・スパイダー(シロヘビトウモ)

北米で「widow spider(未亡人クモ)」として知られるラトロデクトス属は、南アフリカやマダガスカル全域に広く分布しています。丸みを帯びた黒い腹部と長い脚、赤い斑点が特徴で、頑丈な漏斗形の巣と大きな白い卵嚢も目立ちます。人家の暖かく乾燥した場所、屋根裏や木材の山などを好んで生息します。雌だけが人間を噛むことができ、毒は非常に強力ですが、致死例は稀です。

六眼砂クモ(シカリウス属)

南アフリカの人里離れた砂漠地帯に生息する六眼砂クモは、体が平たく赤褐色で微細な毛(セテ)が覆っています。この毛は体表面の水分を保持する役割があります。体長は1インチ(約2.5cm)未満で、カモフラージュと掘削行動に優れ、見つけにくいのが特徴です。毒は世界でも最も致死性が高いとされ、これまでに人間が死亡した例が確認されていますが、遭遇は極めてまれです。

バイオリン・スパイダー(ロキソセレス属)

北米の隠蔽クモに近縁なロキソセレス属は、南アフリカ、ナミビア、スワジランドに分布します。小さく楕円形の体に長い脚、金褐色の体色と腹部にバイオリン形の暗い斑点が特徴です。巣は作らず、床下や使われていない戸棚など人家の隙間に潜みます。自然界では樹皮や朽ち木、石の下に潜むことが多いです。夜間に狩りをしている際に人間と接触することがあり、噛まれると激しい疼痛と潰瘍を伴う傷ができ、医療処置が必要です。

バブーン・スパイダー(タラントゥラ属)

タラントゥラ科に属するバブーン・スパイダーは、南アフリカで40種以上が確認されています。大型で毛深く、色は黄金褐色から黒まで様々です。乾燥した環境を好み、人家の近くにはほとんど現れません。漏斗形の絹で覆われた巣穴を掘り、そこから獲物を待ち伏せします。噛まれることは極めて稀で、痛みは強いものの致死性はありません。

以上のように、南アフリカには人間に危害を加える可能性のある有毒クモが数種存在しますが、いずれも遭遇頻度は低く、適切な注意と対策で被害を最小限に抑えることができます。

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