転移性乳がんにおける標的療法の仕組みと効果
標的療法とは
標的療法は、がん細胞の特定の分子や経路を狙って攻撃し、正常な細胞への影響を最小限に抑える治療法です。転移性乳がんでは、単独で使用したり、化学療法・放射線療法・手術などと組み合わせて用いられます。
転移性乳がんに用いられる主な標的療法
以下のような薬剤が FDA に承認されており、患者さんの腫瘍特性に合わせて選択されます。
CDK4/6阻害剤
細胞分裂に関与するサイクリン依存性キナーゼ4・6(CDK4/6)を阻害し、がん細胞の増殖を抑制します。ホルモン受容体陽性・HER2陰性の転移性乳がんに、ホルモン療法と併用して使用されます。
HER2標的療法
HER2タンパク質が過剰に発現しているがん細胞に作用し、シグナル伝達を遮断して増殖を阻止します。HER2陽性の転移性乳がんに適応されます。
PARP阻害剤
DNA修復酵素であるポリ(ADP‑リボース)ポリマーゼ(PARP)を阻害し、BRCA変異を持つがん細胞のDNA修復を妨げて細胞死を誘導します。BRCA変異陽性の転移性乳がんに使用されます。
mTOR阻害剤
細胞増殖や代謝に関与する哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)を阻害し、がん細胞の成長を抑えます。ホルモン受容体陽性・HER2陰性の転移性乳がんで、ホルモン療法と組み合わせて用いられます。
標的療法は効果的な治療オプションですが、すべての患者さんに適用できるわけではありません。自分に合った治療かどうかは、担当医と十分に相談してください。
