裂孔ヘルニアの治療手順と生活改善ガイド
裂孔ヘルニアは、横隔膜の開口部(食道が胃とつながる部分)に胃の一部がはみ出す状態です。薬物療法や生活習慣の改善で症状が軽減しない場合、手術が検討されます。
リスク要因
- 50歳以上
- 肥満
- 喫煙者
症状
- 小さな裂孔ヘルニアは無症状であることが多い
- 大きいヘルニアは胸やけ、げっぷ、胸痛、吐き気などを引き起こすことがある
検査と診断
- バリウム造影検査:バリウム液を飲み、食道・胃・小腸上部の画像を撮影する
- 内視鏡検査:細いカメラ付きチューブで食道・胃の粘膜を直接観察する
薬物療法
- 制酸剤(処方薬・市販薬)で胃酸を中和し、胸やけを緩和する。ただし中止すると症状が再発する
- H2受容体拮抗薬は胃酸分泌を抑制し、食前に服用するのが一般的
- 食後に服用すると効果が出るまでに30分ほどかかり、胸やけが続くことがある
生活習慣の改善
- 少量の食事を頻回に摂る(大量の食事は胃を膨らませ、胸部へ圧力をかける)
- 体重管理:過体重は胃への圧力を増大させるため、減量が最も効果的
- 禁煙:喫煙は胃酸分泌を増やし、唾液の減少で食道保護が低下する
- 辛い食べ物やアルコールを控える
- 就寝時にベッドヘッドを15〜23cm持ち上げる(枕だけでなく、フォームウエッジなどでマットレス全体を上げる)
開腹手術(オープンリペア)
全身麻酔下で行い、胸壁または腹部の単一切開で胃を腹腔へ戻し、ヘルニア嚢の除去や食道括約筋の再建で裂孔を小さくします。手術時間は2〜3時間、入院期間は最大6日です。
腹腔鏡手術
腹部に小さな切開を入れ、内視鏡カメラと手術器具を挿入してモニター画面を見ながら手術を行います。合併症がなければ入院は3日以内で済み、傷跡が小さく回復も早いです。
