手術前に食事を控えるべき理由とは

手術前に食事を控えるべき主な理由

手術前に食べ物を摂ると、手術中・術後にさまざまな合併症が起きやすくなります。以下に代表的な7つのリスクとその理由をまとめました。

1. 吸引(誤嚥)リスクの増大

全身麻酔下では喉や気道の防御反射が低下し、胃の内容物が肺に入りやすくなります。誤嚥は肺炎など重篤な呼吸器合併症を引き起こす可能性があります。

2. 嘔吐・吐き気の増加

麻酔や手術操作は胃を刺激しやすく、食べ物が残っていると嘔吐しやすくなります。嘔吐は再度の誤嚥や気道閉塞、電解質バランスの乱れを招きます。

3. 胃排出の遅延

麻酔薬や鎮痛薬は胃の蠕動を抑制し、食物が胃内に長時間残ります。その結果、誤嚥や嘔吐のリスクが高まります。

4. 麻酔との相互作用

特定の食べ物や飲料は麻酔薬の代謝に影響し、効果が弱まったり副作用が増えたりすることがあります。例としてアルコールや高脂肪食が挙げられます。

5. 電解質バランスの乱れ

食事により体内のナトリウムやカリウムなどの電解質が変動し、手術中の血液検査や薬剤投与に影響を与える可能性があります。

6. 腹部膨満

胃に食物が残っていると腹部が膨らみ、特に腹部手術や内臓に近い手術で視野が狭くなります。また呼吸管理が難しくなることもあります。

7. 回復の遅延

術後は消化管の機能回復が重要です。空腹状態で手術を受けると、胃腸の動きが早く戻り、痛みや不快感が軽減され、回復がスムーズになります。

以上の理由から、医師は手術前に一定時間の絶食(ファスティング)を指示します。絶食時間は手術の種類や患者の状態により異なりますが、一般的には手術開始の6〜8時間前から固形食を控え、透明な液体は2時間前までに制限します。

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