肺の主な機能と役割
ガス交換
肺の最も基本的な機能は、空気中の酸素を血液に取り込み、同時に代謝産物である二酸化炭素を体外へ排出することです。このガス交換は肺胞という微小な空気嚢で行われ、吸息時に酸素が肺胞を通過して毛細血管へ拡散し、逆に二酸化炭素は血液から肺胞へ拡散して呼気として排出されます。
血液pHの調整
肺は血液中の二酸化炭素濃度を調整することで、血液の酸塩基平衡(pH)を維持します。二酸化炭素は酸性ガスであり、血中濃度が上がるとpHが低下して酸性化します。呼吸が速くなると二酸化炭素が排出され、pHが上昇しアルカリ性に近づきます。
サーファクタントの生成
肺はサーファクタントと呼ばれる表面活性物質を産生します。サーファクタントはタンパク質と脂質からなる混合物で、肺胞の内壁に薄膜を形成し、空気と液体の表面張力を低減させます。これにより肺胞が虚脱せず、呼吸がスムーズに行われます。
防御機構
肺は外部からの異物や病原体に対して複数の防御機構を備えています。
- 粘液:粘性の分泌物で塵や花粉などの粒子を捕捉します。
- 線毛(繊毛):気道上皮細胞の表面にある微小な毛状構造で、粘液と捕捉された粒子を気道外へ運搬します。
- 肺胞マクロファージ:肺胞内に常駐し、細菌やウイルス、異物を貪食して除去します。
- 咳・くしゃみ:異物や過剰な粘液を機械的に排出する反射行動です。
その他の機能
上記以外にも肺は以下のような生理的役割を果たします。
- 体温調節:呼気と吸気の間で熱交換を行い、体温の調整に寄与します。
- 水分バランス:呼吸時に水蒸気を交換し、体内の水分調整に関与します。
- 発声:肺から送り出す空気が声帯を振動させ、言語や歌声を生成するエネルギー源となります。
