狂犬病とはどんな病気か?

分布地域

狂犬病はほぼ全世界で報告されていますが、オーストラリア、ニュージーランド、アイスランド、キプロス、英国、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ポルトガル、スペインなど、一部の国は徹底した撲滅活動により「狂犬病非流行地域」とされています。2年間にわたり国内で自然感染例が報告されなければ、その地域は狂犬病非流行とみなされます。

感染源

狂犬病の感染源は大きく三つに分けられます。

都市型(家畜・ペット)

犬や猫、さらには一部の齧歯類がウイルスを保有し、人への感染の主な原因となります。

野生動物型

ジャッカル、オオカミ、キツネなどの野生哺乳類が主要なウイルス保有者で、都市部への侵入は野生動物との接触がきっかけです。

コウモリ型

主にラテンアメリカで見られる吸血コウモリがウイルスを媒介します。

感染経路

人が狂犬病に感染する最も一般的な経路は、感染動物の唾液が傷口や粘膜に接触することです。野生動物や吸血コウモリに噛まれた場合も同様です。ヒトからヒトへの感染は極めて稀ですが、実験室やコウモリが多数集まる洞窟での空気感染例が報告されています。

治療・予防

感染が疑われた場合は、直ちにワクチン接種が行われます。噛まれた傷は徹底的に洗浄し、傷口の縫合はウイルスが深部へ拡がるのを防ぐため避けます。適切な創傷処理だけで、発症リスクを約80%低減できるとされています。

症状と経過

潜伏期間は曝露後3〜8週間です。初期症状は頭痛、発熱、喉の痛みなどの全身症状(前駆期)で、噛まれた部位のしびれ感が特異的に現れます。続いて中枢神経系が過剰に刺激され、感覚・運動・自律神経・精神に異常が出現します。精神症状として怒りや死への恐怖、イライラ、抑うつがみられ、空気恐怖(エアフォビア)や水恐怖(ヒドロフォビア)も発症します。病程は約6日間で、痙攣や麻痺・昏睡を経て死亡することが多いです。

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