黒死病(ブラック・プラーグ)とはどのような病気か
概要
黒死病(ブラック・プラーグ)は、細菌Yersinia pestisが原因で起こる感染症です。主に野生動物(特にネズミ)に寄生するノミに刺されることで人に伝染します。症状には発熱、寒気、リンパ節の腫れ(腺ペスト)や皮膚潰瘍があり、治療が遅れると致命的になることがあります。
主なタイプ
黒死病は感染経路や症状に応じて3つの形態に分類されます。
- 腺ペスト(bubonic plague):最も一般的な形態で、リンパ節が腫れ「腺腫」と呼ばれる腫瘍ができる。血流に細菌が入ると血行性ペストへ進行することがあります。
- 血行性ペスト(septicemic plague):細菌が血液中に広がり、発熱・寒気・皮膚潰瘍を引き起こす。迅速な抗生物質治療が必要で、治療が遅れると死亡率が高くなります。
- 肺ペスト(pneumonic plague):細菌が肺に感染し、発熱・寒気・咳・呼吸困難を伴う。呼吸飛沫で人から人へ感染するため、最も感染力が強い形態です。
歴史的影響
中世ヨーロッパで黒死病は大流行し、人口の30%から60%が死亡したと推定されています。また、アジアやアフリカでもパンデミックが報告されています。
現代におけるリスクと対策
現在でも黒死病は稀に発生しますが、抗生物質(ストレプトマイシン、テトラサイクリン系など)により早期治療が可能です。予防的なワクチンは実験段階で、一般的には使用されていませんが、感染が疑われる地域ではノミやげっ歯類の管理が重要です。
