陰部シラミ(陰部ダニ)とは?かゆみの原因と対策

陰部シラミ(陰部ダニ)とは

俗に「かゆいカニ」と呼ばれる陰部シラミ(学名 Pthirus pubis)は、陰毛や体毛に寄生する小さな寄生虫です。体長はごま粒ほどで、茶色から灰色の斑点に見え、まるで小さなカニのように爪で毛を掴んで生活します。人間以外の動物には寄生せず、主に陰毛に生息しますが、ひげや眉毛、脇の毛など太い毛がある部位にも見られます。

生活史と摂食習慣

シラミは卵(ニット)から孵化し、幼虫(ニンフ)を経て成虫になります。すべての段階で宿主の体温と湿度が必要で、宿主から離れると1日以内に死んでしまいます。成虫は約4〜8時間ごとに血液を吸い、栄養を得ます。シラミは人間専用の寄生虫で、他の動物へは移りません。

繁殖

メスは血液を吸って卵を成熟させ、毛の根元に糊のように付着させます。卵は針の先ほどの大きさで肉眼で見つけにくく、除去も困難です。成虫は約1か月生存し、その間に20〜30個の卵を産むことがあります。卵は数日で孵化し、幼虫期を経て再び成虫へと成長します。

症状

感染後2〜3週間でかゆみ(掻痒感)が出始めます。かゆみはアレルギー反応によるもので、特に夜間に強くなります。痒みとともに、青灰色の斑点や赤い発疹、腫れ、刺激感が現れます。顕微鏡や拡大鏡で毛根部を確認すると、小さなシラミや卵が見つかります。

治療と予防

陰部シラミは性行為を通じて感染することが多いため、性感染症の一種とみなされますが、タオルや衣類、シーツ、トイレの便座などを介した接触でも稀に感染します。治療には、薬局で販売されているペルメトリン配合のクリームや、医師処方の薬を使用します。毛を剃ることで除去が容易になる場合もありますが、必須ではありません。感染した衣類や寝具は高温で洗濯し、性パートナーも同時に治療することで再感染を防ぎます。

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