抗毒素はどのように作られるのか?
種類
抗毒素は大きく分けて単価抗毒素と複価抗毒素の2種類があります。単価抗毒素は特定の動物種の咬傷や刺傷にのみ有効です。一方、複価抗毒素は複数の種からの毒に対応でき、例えばオーストラリアのカッパーヘッドには専用の抗毒素がないため、複価抗毒素が使用されます。
製造方法
まず対象動物から毒を採取します(ヘビの場合はミルキングと呼ばれる作業)。次に、羊、ウサギ、馬などの大型哺乳類に、致死量の1/10〜1/100程度の毒を少量注射し、数週間かけて徐々に投与量を増やします。動物が耐性を獲得したら血液を採取し遠心分離して血漿を分離します。血漿中の白血球が産生した抗体が抗毒素の主成分で、これを精製して医薬品として供給します。
投与タイミング
抗毒素は咬傷後できるだけ早く投与することが重要です。特にヘビの咬傷では、できれば4〜5時間以内に投与することが推奨されます。
歴史
最初の抗毒素はヘビ用に開発され、1895年にアルベール・カルメットがインドナジャ(コブラ)の毒に対する抗毒素を作製しました。その後、19世紀後半にはサソリ、クモ、毒性のあるカエルやヒキガエル用の抗毒素も次々に開発されました。
将来の展望
将来的には、低コストで広範囲に効く、経口投与が可能で、合成材料から作られる抗毒素が期待されています。現時点で全ての条件を満たす製品はありませんが、馬ではなく羊やヤギを使用したことでアレルギーリスクが低減したり、鳥の卵から抽出した抗体が安定性に優れるなど、徐々に改良が進んでいます。
