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化学療法に伴うリスクと副作用

化学療法はがん細胞を死滅させることを目的とした薬剤の総称です。薬剤は血管内に投与されるため、がん細胞だけでなく増殖が早い正常細胞にも影響を及ぼし、短期的な副作用だけでなく長期的なリスクも伴います。

細胞へのダメージ

  • 化学療法薬はがん細胞だけを選択的に攻撃できないため、骨髄や血液細胞、毛髪、消化管、性細胞など、増殖が速い正常細胞も障害を受けます。その結果、脱毛、吐き気・嘔吐などの急性症状が起こり、長期的には各組織の機能低下につながることがあります。

心臓への影響

  • 特にアントラサイクリン系の薬剤は心筋に永久的なダメージを与えることがあります。がん治療を受けた患者の約10%で心機能低下が認められ、重症化すると心不全につながります。

神経系の変化

  • 一部の薬剤は中枢神経系(脳・脊髄・脳神経)や末梢神経に長期的な障害をもたらすことがあります。首や肩の痛み、頭痛、嘔吐、倦怠感、発熱、うつ、痙攣、視覚障害、しびれやチクチク感などが報告されています。

認知機能・記憶への影響(「チーモブレイン」)

  • 米国がん協会の報告によれば、化学療法は脳機能に持続的な影響を与えることがあります。患者は思考が鈍くなる、反応が遅れるといった症状(通称「チーモブレイン」)を訴えることがあります。

肺へのダメージ

  • ブレオマイシンなどの薬剤は肺組織を永続的に障害することがあります。喫煙者や胸部放射線を受けた患者、70歳以上の高齢者はリスクが特に高く、発症率は3倍に上昇します。

生殖機能と性欲への影響

  • 化学療法は男女ともに不妊や性欲低下を引き起こす可能性があります。特定の薬剤や放射線療法は卵巣や精巣の機能を損ない、将来的な妊娠・出産が困難になることがあります。

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