パップスメアで核を持たない扁平上皮細胞が見られる場合の意味

パップスメアで核を持たない扁平上皮細胞(無核細胞)が検出されることがありますが、これは主に「扁平上皮化生(squamous metaplasia)」という現象を示しています。扁平上皮化生は、子宮頸部の内側にある円柱上皮が刺激や炎症、損傷に応じて平坦な扁平上皮へと変化する反応的な過程です。

扁平上皮化生の主な原因

  • 慢性子宮頸炎:クラミジアやヒトパピローマウイルス(HPV)などの感染、ホルモンバランスの乱れ、機械的外傷などが原因で頸部が炎症を起こし、上皮が変化します。
  • ホルモン変動:妊娠・閉経・ホルモン療法に伴うエストロゲン・プロゲステロンのレベル変化が、頸部上皮の形態を変化させます。
  • 子宮頸部異形成:前がん状態の異形成病変に隣接する部位で、上皮が扁平上皮へと変わることがあります。
  • 頸部浸食(エロージョン):子宮頸管粘膜が浸食されると、基底の扁平上皮が膣内の酸性環境にさらされ、化生が促進されます。
  • 子宮内避妊具(IUD):長期使用による頸部への慢性的な刺激が化生を引き起こすことがあります。
  • 閉経後の変化:エストロゲン減少により頸部上皮が薄くなり、扁平化が進みます。

扁平上皮化生自体は通常は良性で、重大な健康リスクを伴うことは少ないとされています。ただし、前がん病変やがん病変と同時に存在する可能性があるため、無核扁平上皮細胞がパップスメアで認められた場合は、基礎疾患の有無を確認するために医師の診察・追加検査が必要です。

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