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Vogelsteinと大腸がん

腫瘍抑制遺伝子

ヴォーゲルシュタイン博士は、正常細胞の増殖を抑える分子ブレーキとして機能する腫瘍抑制遺伝子を探求しました。大腸がんはこの遺伝子が失われることで、病的細胞が急速に増殖すると考えました。欠損した染色体を解析した結果、腫瘍抑制遺伝子としてp53を特定しました。

p53遺伝子

当初、p53はがん遺伝子(オンコジーン)として注目されていましたが、ヴォーゲルシュタインは真の腫瘍抑制遺伝子であると仮定しました。腫瘍が成長するには、両親から受け継いだp53の2コピーがともに「オフ」になる必要があります。大腸腫瘍の細胞を調べたところ、1つのコピーが欠失している場合、残りのコピーに機能喪失変異が必ず見られ、正常な人では検出されませんでした。

安定性遺伝子

ヴォーゲルシュタインらは、他の遺伝子の変異率を制御する「安定性遺伝子」も研究しています。これらが変異すると、細胞は大量の二次変異を蓄積し、腫瘍形成が加速します。代表的なものに、ミスマッチ修復遺伝子であるMSH2・MSH6、染色体異常を引き起こすBUBR1があります。

APC経路

腺腫性ポリポシスコロニ(APC)遺伝子の変異も大腸腫瘍の発生に関与します。APCは腫瘍抑制タンパク質をコードし、細胞が腫瘍化するかどうかを決定します。遺伝性のAPC変異を持つ患者は良性腺腫を形成しやすく、ヴォーゲルシュタインは他の変異との相互作用を解明中です。さらに、APCやミスマッチ修復遺伝子を高感度で検出できる血液検査も開発しました。

治療への希望

同博士らが開発した遺伝子検査は、遺伝性大腸がんのリスクを持つ家族メンバーを特定できます。遺伝カウンセリングと腫瘍専門医による定期的なモニタリングと組み合わせることで、早期発見と安心感が得られます。

転移が起こる前にがんを発見すれば、死亡率はほぼゼロにできると博士は考えています。そのために、APCや他遺伝子の変異を数万本のDNAから高速に検索する「BEAMing」技術(ビーズ、エマルション、増幅、磁気)を開発しました。

さらに、遺伝子経路の変異を防ぐ新しい化学療法の開発にも取り組んでおり、早期・進行期の大腸がんに対して高い効果が期待されています。

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