扁平上皮異形成とは?
異形成(dysplasia)とは、組織の発育が正常でない状態を指す総称です。中でも「扁平上皮異形成」は、体内の空腔や表面を覆う扁平上皮(例:子宮頸部や食道の上皮)に生じる細胞の異常増殖を指します。がんではありませんが、がんの前段階になることがあります。
扁平上皮
上皮は体の表面や腔内を覆う細胞層で、形態や層数で分類されます。扁平上皮は薄くて扁平な細胞から成り、単層(単層扁平上皮)または多層(重層扁平上皮)があります。皮膚の表面は重層扁平上皮、肺の肺胞は単層扁平上皮です。
異形成
異形成は組織の発育異常全般を指す言葉ですが、扁平上皮に限定した場合は「扁平上皮異形成」と呼ばれます。子宮頸部の外部は重層扁平上皮で覆われており、内部(子宮頸管)は単層円柱上皮です。
兆候
顕微鏡で観察した組織サンプルに、細胞配列の乱れや細胞サイズ・形状・核の異常が認められた場合、異形成と診断されます。子宮頸部の異形成はパップテストで、食道の異形成は内視鏡検査で検出されます。
意義
異形成が必ずしもがんを意味するわけではありませんが、がんへの前駆状態になることがあります。重層扁平上皮の異形成は軽度・中等度・重度に分けられ、重度は上皮全層に異常細胞が広がります。診断された場合、医師は追加検査や経過観察を指示することがあります。
留意点
扁平上皮異形成は扁平上皮癌への進行過程の最初の段階です。軽度の異形成はがん化リスクが低く、自然に改善することが多いです。一方、重度(高異形成)や「原位癌(CIS)」はがん化リスクが高く、積極的な管理が必要です。
