概要

原発性腹膜がんは、主に腹部の腹膜にがん細胞が増殖する疾患です。女性に多く見られます。診断には血液検査、対象部位の生検、MRIやCTといった画像診断が用いられ、身体的チェックでがん細胞の正確な位置を特定します。

1. 病理と診断のポイント

腹膜は腹腔内を覆う薄い膜で、子宮や膀胱を保護し、臓器が滑らかに動くための液体を分泌します。原発性腹膜がんはこの腹膜にがん細胞が増えることで発症します。症状が非特異的なため、早期に診断されにくく、しばしば進行した段階で判明します。

2. 主な症状(影響)

  • 食欲不振と体重の変化(原因不明の体重増加を伴うことも)
  • 腹部の疼痛・不快感、吐き気、全身倦怠感
  • 腹水貯留による腹部の圧迫感や痙攣
  • 膨満感、持続的な消化不良
  • 便通異常(便秘)や頻尿などの腸・膀胱症状

3. 誤診のリスクと実際の違い

初期段階では卵巣がんと症状が非常に似ているため、誤って卵巣がんと診断されることがあります。原発性腹膜がんは卵巣への浸潤が軽微であることが多く、病状が進行すると卵巣がんほど卵巣が関与しなくなるため、正確な診断へと転じます。

4. 治療法(予防・対策)

主な治療は以下の3つです。

  • 手術:がんがある腹膜部位の切除に加え、必要に応じて子宮、卵巣、腹壁の一部を除去します。
  • 化学療法:術後や進行期に薬剤でがん細胞を抑制します。
  • 放射線療法:局所的にがん細胞を破壊します。

多くの場合、手術と化学療法・放射線療法を組み合わせた総合的アプローチが取られます。

5. 治療上の留意点

原発性腹膜がんは診断時にステージIIIが最も一般的で、転移リスクがあります。手術が成功しても、再発防止のために化学療法や放射線療法を継続することが標準的です。治療は長期にわたることが多く、定期的なフォローアップが重要です。