転移性インスリノーマとは
転移性インスリノーマとは
転移性インスリノーマは、膵臓にできるインスリン産生腫瘍(インスリノーマ)が血流やリンパを介して肝臓や肺、骨、リンパ節など他の臓器へ転移した稀な疾患です。インスリン過剰分泌に伴う低血糖症状が主な臨床所見となります。
主な転移先と症状
最も頻繁に見られる転移先は肝臓ですが、肺、骨、リンパ節、その他の部位にも転移します。症状は原発性インスリノーマと同様で、以下のような低血糖症状が現れます。
- 低血糖(血糖値低下)
- 発汗
- 震え(振戦)
- 空腹感
- 意識障害・混乱
- けいれん
- 昏睡
診断
診断は症状、血液検査、画像診断を組み合わせて行います。
血液検査ではインスリンおよびCペプチド濃度を測定し、過剰分泌を確認します。MRIやPETなどの画像検査で原発巣と転移巣の位置を特定します。
治療
治療の基本は外科的切除です。転移範囲や患者の全身状態に応じて、以下の方法が検討されます。
外科手術
可能な限り腫瘍を全摘し、症状の改善や根治を目指します。全摘が困難な場合は腫瘍の減量や症状緩和を目的に部分切除を行います。
薬物療法
低血糖の管理にはジアゾキシドやオクトレオチドなどの薬剤が有効です。これらはインスリン分泌を抑制し、血糖値を上昇させます。
化学療法・放射線療法
外科的に完全切除できないケースでは、化学療法や放射線療法で腫瘍縮小と症状緩和を図ります。
予後
予後は転移の部位・範囲、患者の全身状態に左右されます。5年生存率は約50%と報告されています。
