前立腺がんとビタミンCの関係
理論
2007年に『Cancer Cell』誌に掲載された研究では、マウスのがん増殖に関する一連の発見が報告されました。中心となったのはタンパク質HIF-1(低酸素誘導因子1)です。HIF-1は酸素が不足した環境で細胞が適応するために働きます。腫瘍が急速に成長すると、周囲の酸素が枯渇し、HIF-1の活性が必要になります。
しかしHIF-1は活性化にフリーラジカルを必要とします。そこで研究者は、非常に高用量のビタミンCや他の抗酸化剤がフリーラジカルを除去し、HIF-1の機能を阻害できると仮定しました。実験結果では、ビタミンCを高用量で投与されたマウスではがんの増殖が完全に停止しました。
論争と最新研究
ポーリングが1970年代にビタミンCの抗がん効果を主張した当時、研究者は主に経口投与で効果を検証しましたが、ほとんど成果は得られませんでした。経口摂取では余分なビタミンCは尿中に排泄され、体内濃度を十分に高めることができません。血中濃度を劇的に上げる唯一の方法は静脈内投与(IV)です。
IV投与によるビタミンC(アスコルビン酸、アスコルベート)の研究は有望な結果を示しています。2007年、米国科学アカデミーの研究チームは「IV投与で容易に得られる薬理学的濃度のアスコルベートは、正常細胞を傷つけずに一部のがん細胞を選択的に死滅させる」と報告しました。
治療への展望
前立腺がんに対するアスコルベート治療のヒト臨床試験はまだ実施されていませんが、治療自体は提供されており、副作用のリスクは極めて低いと考えられます。ビタミンCは正常細胞に影響を与えないためです。
興味がある方は、まず担当医に相談し、IVビタミンC治療の可能性について話し合ってください。
