放射線による爪の障害と対策

放射線治療や放射線作業により、爪にさまざまな障害が起こることがあります。爪床の健康が損なわれると、見た目や日常生活に支障が出ますが、適切なケアを行えば症状は改善し、放射線への曝露が減少すれば回復することが多いです。

爪の異常

爪の色、形、質感、厚さに影響を与える異常は多岐にわたります。代表的なものとして、爪表面に小さな凹みができる「凹み(ピッティング)」や、縦方向に走る小さな隆起「縦紋(リッジ)」があります。爪が白くなる白斑は医学的に「白甲(白爪)」と呼ばれ、爪が細く薄くなる状態は「凹爪(コイロニキア)」と呼ばれます。高齢者に多い脆い爪も、病気や栄養状態のサインになることがあります。

放射線治療でよく見られる爪の問題

がん治療中に放射線を受ける患者さんは、爪が弱くなったり割れやすくなったりすることがあります。爪がはがれやすくなったり、爪床に縦紋が現れたりすることも報告されています。これらは放射線曝露に伴う副作用であり、通常は永久的なものではありません。

爪の問題への対処法

放射線治療中の爪ケアとして、以下の点に注意しましょう。

  • 細菌が繁殖しやすい人工爪は使用しない。
  • 甘皮を切りすぎず、硬くなった甘皮には甘皮クリームを塗布する。
  • 園芸や家事の際は手袋を着用し、爪への外的刺激を避ける。
  • 手や爪をこまめに保湿し、乾燥を防ぐ。
  • 爪底用のネイルポリッシュを塗ると強度が増すことがある。
  • オリーブオイルや野菜油で爪を数分間浸すと潤いが補給できる。
  • 爪床近くで割れた場合やはがれた場合は、絆創膏で覆い感染を防止する。

爪のボウエン病

放射線に長期間従事する医療従事者でも爪の異常が報告されています。東北大学医学部の研究では、25年間にわたりX線に曝露された医師が、爪に茶色の帯状斑を呈するボウエン病(光線性皮膚癌の前段階)を発症したケースが紹介されています。

注意点

放射線治療に併用されることのある化学療法薬「ブレオマイシン」も、爪に影響を与えることがあります。ブレオマイシンは爪の脆さを増し、縦紋や帯状の変色を引き起こすことが報告されており、治療中は爪の状態を医師に報告することが重要です。

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