概要

注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、通常リタリンなどの刺激薬と心理療法の併用で治療されます。近年、アルツハイマー病治療薬として知られるナメンダ(メマンチン)が、刺激薬とは異なる作用機序からADHDの代替薬として注目されています。

歴史

  • メマンチンは1968年にエリ・リリー社が開発し、1990年代初頭にフォレスト・ラボラトリーズへライセンス供与されました。米国食品医薬品局(FDA)は1993年にメマンチンを承認し、同社は「ナメンダ」の商品名で販売を開始しました。

  • 2008年6月、マサチューセッツ総合病院がADHD患者に対するナメンダの効果を検証する臨床試験を開始しましたが、結果はまだ公表されていません。

機能と作用機序

  • ナメンダはアルツハイマー病の症状進行を遅らせ、認知機能の維持に寄与することが、2003年の『New England Journal of Medicine』の研究で示されています。

  • 主な作用は「N-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDA受容体)拮抗薬」として、過剰なグルタミン酸シグナルを抑制し、神経細胞の興奮性毒性を軽減することです。リタリンのような刺激薬とは異なり、ドーパミン系を直接刺激しない点がADHD治療への関心を呼んでいます。

特徴

  • 経口投与の錠剤で、一般的に1日1回または2回の服用が推奨されます。刺激薬に比べて依存性のリスクが低いとされています。

副作用と注意点

  • FDAはADHD治療にナメンダの使用を承認していません。現在までに、ADHDに対する有効性を示す公的なデータはありません。

  • 初回投与時に一時的な混乱や頭痛、便秘、めまいが現れることがあります。適切な用量を見つけるまで症状が出ることがあるため、医師の指導下で慎重に使用する必要があります。