自閉症児のための乗馬療法
自閉症の子どもたちが乗馬療法(ヒポセラピー)に参加すると、社会性や対人関係のスキルが顕著に向上することが報告されています。自閉症は広汎性発達障害(PDD)の一種で、言語・非言語のコミュニケーション障害、特定の興味への過度な集中、反復的な言語パターンなどが特徴です。動物支援療法は比較的新しいアプローチですが、子どもが動物に心を開くことで、同年代や家族との関係改善にもつながります。
初めての科学的研究
2009年に『Journal of Autism and Development Disorders』に掲載された包括的研究では、12週間の乗馬療法を受けた自閉症児の社会性が向上したと報告されました。感覚探索、感受性、社会的動機付けが改善し、注意散漫も減少しました。
リズミカルな動きの効果
馬のリズミカルな揺れは自閉症児に有益とされています。専門家のRuth Dismuke‑Blakely氏は、馬の動きが神経学的に子どもに影響を与えると指摘。週1回、18〜25分の乗馬を8週間続けた結果、言語コミュニケーションが向上しました。ただし、過度の乗馬は逆効果となり、行動が不安定になる恐れがあります。
馬が選ぶ乗り手
一部のプログラムでは、子どもが特定の馬に固定されず、複数の馬と接触させて馬の反応を見る方法が取られます。馬が鼻で子どもにすり寄ると、その馬が選ばれたと判断し、子どもの改善が見られました。
前向きな学習環境
乗馬療法では、子どもたちは馬の新しい身体感覚を体験し、効果的な乗り方を学びます。また、カウンセラーや他の子どもたちと交流しながら、全く新しい対象についてのコミュニケーション方法を習得します。このようなポジティブな学習環境は、従来の学習への受容性を高める可能性があります。
