自閉症に対するキレート療法の実態と問題点
キレート療法の概要
一部では、自閉症が過去に使用されたワクチン保存剤チメロサールに含まれる水銀と関係があるとされています。そのため、体内に残った水銀を除去すれば自閉症が改善すると考え、キレート療法が提案されています。
識別
標準的なキレート療法は、静脈内投与でキレート剤を投与し、体内の重金属と結合させて尿として排出させます。自閉症研究所によれば、実際にキレートを受ける自閉症児の多くは、薬剤を経口または皮膚にジェル状で塗布する形で行われています。
考慮すべき点
キレート療法は肝臓や腎臓への深刻な副作用が報告されており、米国食品医薬品局(FDA)は急性重金属中毒の場合にのみ使用を認可しています。
専門家の見解
メイヨークリニックのジェイ・L・ホーカー医師は、現在までに自閉症と水銀曝露の関連性、またキレート療法が自閉症に有効であるという科学的証拠は示されていないと指摘しています。
証拠の欠如
米国国立精神衛生研究所(NIMH)はかつて自閉症児を対象としたキレート療法の研究計画を立てていましたが、2008年に効果を示す十分な証拠が得られず、リスクを考慮して中止しました。
警告
2005年にペンシルベニア州で、キレート療法中に自閉症児が死亡した事例が報告されています。当該医師は水銀中毒用ではなく、通常は鉛中毒治療に用いられる薬剤を静脈投与していたことが判明しています(Pittsburgh Tribune-Review 2005年8月26日)。
NCAHFの立場
全国健康詐欺防止協議会(NCAHF)は、自閉症児に対するキレート療法は子どもへの虐待に相当すると声明を出しています。
