前庭機能の再訓練エクササイズ

前庭に問題があると、めまい、乗り物酔い、歩行困難、集中力低下、回転性めまいなどの症状が現れます。主な原因は内耳の異常ですが、目の疾患や頭部外傷、薬の副作用でも起こります。ウォーキングやサイクリング、太極拳などの低負荷運動で全身の体力を高めながら、症状に合わせた再訓練エクササイズを行うことで、改善と自信が得られます。

前庭の慣れ(Vestibular Habituation)

前庭の慣れとは、症状を引き起こす動きを再現し、症状が出なくなるまで繰り返すことです。Wiiやボールなどの道具を使う場合もありますし、道具なしで行うこともあります。Cawthorne‑Cooksey プロトコルに基づく代表的なエクササイズは、椅子に座って前かがみになり物を拾う、目を開けて・閉じて歩く、ボールを両手で投げ合う、対象物の周りを回る、などです。理学療法士が個別にプログラムを作成し、在宅で実施できるよう指導してくれます。

頭と眼の連動(Head‑Eye)

このエクササイズでは、体は固定したまま頭だけを左右に回します。最初は座って行うことが多く、前にカードやボールを置きます。カードには文字や絵柄が描かれており、頭を回す間も視線はその文字や絵に合わせ続けます。回転の速度を変えても、対象物への視線は保ちます。頭と眼の協調を鍛えることで、視覚情報と前庭情報の統合が改善します。

バランス再訓練(Balance Retraining)

バランス再訓練は、立位での姿勢保持と眼の協調を練習します。足首の揺れ、片足立ち、つま先立ち、ボールを斜めに投げる動作などが効果的です。実施時は近くに椅子やテーブル、または補助者を用意し、バランスが崩れたときに転倒を防げるようにします。

歩行エクササイズ(Gait Exercises)

歩行中に特定の課題を加えることで前庭機能を刺激します。一定の地点を見続けながら歩く、歩行中に頭を左右に振る、上下に視線を動かすなどの練習があります。コンクリートからカーペットへ、あるいは不整地へと歩行面を変えることで、足元の感覚と前庭感覚の統合が向上します。

耳石リポジショニング(Canalith Repositioning)

耳石リポジショニングは、内耳に残った結晶(耳石)を正しい位置へ戻すことでめまいを軽減する手技です。医療従事者の指導のもと、ベッドやテーブルに仰向けになり、頭を特定の角度に回す動作を行います。症状が改善するまでに数回の治療が必要な場合があります。

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