中枢性疼痛症候群の緩和に最適な薬
中枢性疼痛症候群は、脳や脊髄など中枢神経系(CNS)の損傷や機能障害により、慢性的な痛みが生じる神経疾患です。現在のところ根本的な治療法はありませんが、症状緩和に有効な薬剤がいくつか報告されています。
原因と症状
米国国立神経疾患・卒中研究所(NINDS)によると、主な原因は以下の通りです。
- 外傷性脳損傷や脊髄損傷
- パーキンソン病
- 良性・悪性腫瘍
- 多発性硬化症
- てんかん
痛みの特徴は原因によって異なりますが、全身に広がる疼痛や手足など特定部位に限局した疼痛が報告されています。いずれの場合も痛みは常に存在し、強さは中等度から重度まで変動します。
診断
診断は比較的容易とされ、Bowsher基準が用いられます(David Bowsher, MD, 1990)。基準は以下の3点です。
- 軽い触覚刺激で誘発される灼熱感(深い圧力ではなく)
- 痛みの一部として寒冷感が伴うこと
- 衣類の摩擦や触れ合いで痛みが増強すること
治療
根本治療はないため、主に薬物療法で痛みの軽減を図ります。患者ごとに原因や痛みの性質が異なるため、医師や疼痛管理専門医と連携し、試行錯誤しながら最適な薬を見つけることが重要です。
一般的に使用される薬剤は次の通りです。
- オピオイド系鎮痛薬:最も効果が高いが依存性のリスクがある
- 抗てんかん薬(ガバペンチン等)
- 三環系抗うつ薬(ノルトリプチリン等)
研究によれば、これらの薬剤は痛みを部分的に緩和しますが、完全な鎮痛には至りません。特に脳卒中後の中枢性疼痛に対しては、抗うつ薬や抗てんかん薬が僅かな改善を示す程度と報告されています。
