マイコプラズマ・フェルメンタン症の症状と関連疾患

概要

マイコプラズマ・フェルメンタンは、細胞壁を持たないグラム陰性菌で、プラズマ膜に包まれています。1950年代初頭に男女の下部生殖器から初めて単離されたものの、下部生殖器疾患との直接的な関連は確認されていません。近年は、エイズ患者や非エイズ患者の多臓器壊死病変、湾岸戦争症候群、関節リウマチなどとの関係が報告されています。

歴史

1997年1–3月号の『Emerging Infectious Diseases』に掲載された研究で、Joel B. Baseman と Joseph G. Tulley はこの病原体の歴史を整理しました。1950年代に生殖器から単離されたものの、下部生殖器の疾患との因果関係は未解明です。1970年代には関節リウマチや小児白血病との関連が示唆されましたが、決定的な証拠は得られていません。1990年代初頭には、ガース・ニコルソン夫妻が湾岸戦争症候群との関連を強く示唆し、デザート・ストーム作戦に従事した娘が症状を呈した事例が報告されました。

症状

マイコプラズマ・フェルメンタン自体は疾患ではありませんが、湾岸戦争症候群や慢性疲労症候群、線維筋痛症などの症状に関与すると広く言及されています。主な症状は、極度の疲労、夜間の発汗、断続的な発熱、筋肉痛、記憶障害、頭痛、皮膚発疹、下痢、うつ、イライラ感、慢性気管支炎、腹部膨満感などです。

抗生物質への耐性

他のマイコプラズマ属菌に対しては広域抗生物質が有効とされますが、マイコプラズマ・フェルメンタンはこれらの薬剤に対して耐性を示すことが多いです。そのため、免疫力が低下した患者においては感染制御が極めて困難であり、一般集団においても治療が難しいとされています。

関節リウマチとの関連

日本の医療研究者らは、2008年5月号『Biochemical & Biophysical Research Communications』に掲載された研究で、関節リウマチ患者多数にマイコプラズマ・フェルメンタンの既知抗原が検出されたことを報告しました。これにより、同菌と関節リウマチとの関連性が示唆され、今後の「安全かつ効果的な免疫療法」開発への基礎情報となることが期待されています。

湾岸戦争症候群

1996年8月に『McAlvany Intelligence Advisor』に掲載された記事では、マイコプラズマ・フェルメンタン(incognitus株)と湾岸戦争症候群の関係が検証されました。米空軍のジョイス・ライリー大尉の推計によれば、1991年のデザート・ストーム作戦に参加した米兵の約半数がこの株に陽性反応を示すとされています。

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