GABA(γ-アミノ酪酸)の脳への作用と影響

γ-アミノ酪酸(GABA)はヒト脳で2番目に多く見られる神経伝達物質です。抑制性の働きを持ち、神経細胞の活動を落ち着かせます。抗不安薬の多くは、脳内でのGABAの利用可能性を高めることで効果を発揮します。

神経伝達物質とは?

神経伝達物質は、ニューロン(神経細胞)同士が情報をやり取りするための化学物質です。シナプスと呼ばれる隙間を越えて放出され、相手ニューロンの受容体に結合し、特定の機能を引き起こします。伝達後は再取り込みされ、再び使用されます。

GABAの働きは?

GABAは「抑制性」神経伝達物質として知られ、受容体に結合するとそのニューロンの活動レベルが低下し、電位活動(活動電位)が起こりにくくなります。これは、GABA受容体が塩化物イオン(Cl⁻)の流入とカリウムイオン(K⁺)の流出を制御するためです。細胞内の負電位が高まり、外側の正電位が上がることで、ニューロンが興奮しにくくなります。

GABAが心理・生理に与える影響

抑制性であるため、GABAは不安の軽減やリラックス、緊張緩和に関与します。ベンゾジアゼピン系やバルビツール酸系の抗不安薬は、シナプス内のGABA濃度を高めて受容体に結合させることで効果を発揮します。アルコールも同様に塩化物イオンの流入を促進し、GABAの作用を増幅します。

一方、カフェインはシナプス中のGABA利用可能量を減少させ、神経過敏や不安、睡眠障害を引き起こすことがあります。

GABAの抑制効果は生理的にも重要です。例えば心拍数を調整する心臓迷走神経ニューロンはGABAの影響を受けやすく、GABAが抑制的に働くと心拍数が上昇します。

GABA受容体に作用する薬は「GABA作動性(GABAergic)薬」と呼ばれます。

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