双極性障害における記憶障害
双極性障害の患者は、記憶障害を経験することが頻繁にあります。薬剤の副作用や精神状態の変動、服薬遵守の問題など、さまざまな要因が影響します。症状が安定していない間は、短期記憶・長期記憶のいずれも障害を受けやすくなります。
薬剤の副作用
- リチウムは代表的な治療薬ですが、記憶力低下を引き起こすことがあります。
- ベンゾジアゼピン系薬剤は不安緩和に用いられますが、鎮静作用が強く、記憶障害や混乱を招くことがあります。
躁(そう)エピソード
- 躁状態では思考が過剰に活性化し、情報の整理が困難になるため、短期記憶が著しく低下します。
- エピソードが収束した後も、出来事の詳細を覚えていないことが多く見られます。
精神病的エピソード
- 長期にわたる躁状態が未治療で続くと、幻覚・妄想が出現し、現実認識が崩れます。
- この状態では、家族を認識できなかったり、善悪の判断ができなくなるほど、長期・短期記憶が深刻に障害されます。
抑うつエピソード
- 抑うつ期には、約束や家事、最近の出来事(例:最後に入浴した時間)を忘れやすくなります。
- 主に短期記憶の低下が顕著です。
服薬遵守の欠如
- 躁・抑うつ・精神病的状態のいずれでも、記憶障害により薬の服用を忘れがちです。
- 服薬の重要性を認識できないことが、症状の安定化を妨げます。
