多発性梗塞性認知症(MID)の診断と治療法
多発性梗塞性認知症(Multiple Infarct Dementia、MID)は、繰り返し起こる脳梗塞により脳機能が低下する認知症で、全認知症患者の約10〜20%を占めます。根本的な治療法はありませんが、原因疾患の管理により進行を遅らせることが可能です。
症状の種類
- 夜間の混乱や見当違い感
- 食事や入浴など日常生活への興味低下
- 意思決定の困難、興奮・イライラ、抑うつ、気分の変動
- 記憶障害、嚥下困難、無意識の笑いや泣き、尿失禁
診断
診断にはMRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)といった画像検査が用いられ、脳梗塞の部位や範囲を評価します。
薬物療法
- 抗精神病薬やベータ遮断薬、セロトニン再取り込み阻害薬(抗うつ薬)で攻撃性や抑うつ症状をコントロール
- 抗コリン薬、CNS抑制薬、制酸薬(シメチジン)や一部の鎮痛薬は認知機能を悪化させるため、必要に応じて代替薬に変更
基礎疾患の管理
血中コレステロール低下薬や抗血小板薬で血液をサラサラにし、心不全、貧血、低酸素血症、甲状腺機能障害など、認知症を悪化させる合併症の治療も併せて行います。
予防策
若年期からのリスク因子管理が最も効果的です。バランスの取れた食事、定期的な運動、禁煙、過度な飲酒の回避が多発性梗塞性認知症の発症リスクを低減します。
