転座(染色体異常)とは何か?
転座の概要
転座は、2本の染色体間で遺伝情報が交換される染色体異常です。9番染色体と22番染色体の転座(t(9;22))は慢性骨髄性白血病(CML)と強く関連しています。
転座の分類
転座は大きく「バランス型」と「アンバランス型」の2種類に分けられます。
バランス型転座
染色体が切断され、相互にDNAの断片が入れ替わるだけで、遺伝情報の総量は変わりません。そのため多くの場合、保因者は健康上の問題を示さず、症状が出ないことが多いです。
アンバランス型転座
一方の染色体の一部が別の染色体に移動し、対応する交換が行われないため、遺伝情報が増減します。これによりがん、先天性奇形、知的障害など様々な疾患リスクが高まります。
代表的な疾患例
バランス型でも疾患に結びつくことがあります。代表例は以下の通りです。
- t(9;22):慢性骨髄性白血病(CML)
- t(15;17):急性前骨髄性白血病(APL)
- t(8;14):バーキットリンパ腫
- ロバートソニアン転座(13;14、14;21 など):先天性疾患や不妊の原因
診断方法
染色体分析(カリオタイプ解析)や蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)、次世代シーケンシング(NGS)などの細胞遺伝学的手法で、転座が関与する染色体とそのバランス状態を特定できます。
治療と管理
転座自体を根治する治療法はありませんが、転座が原因となる疾患は個別に治療できます。たとえば、CMLはBCR‑ABL1 融合遺伝子を標的としたイマチニブ(グリーンバックス)でコントロール可能です。また、適切な遺伝カウンセリングにより、家系内でのリスク評価や妊娠計画のサポートが行われます。
