舌の病気サインと症状
舌は口の中で最も感覚が鋭く、柔軟で力強い筋肉です。表面には5,000〜10,000個もの味蕾があり、甘味・酸味・塩味・苦味を識別します。言葉を発したり、アイスクリームをすくい上げたり、封筒の裏を舐めたりと、日常生活に欠かせない働きをしています。普段はあまり意識しませんが、舌に水ぶくれ、変色、腫瘍、斑点などの異常が現れたら、軽微なものでも医師の診察が必要です。
白いクリーム状の潰瘍が舌にできたとき
口腔カンジダ症(口腔アスペルギルス症)では、舌の表面にカッテージチーズのような白い斑点が現れます。免疫抑制状態や抗生物質の使用で口内細菌のバランスが崩れ、カンジダ菌が増殖することが原因です。糖尿病、がん、HIV/AIDS、膣カンジダなどがリスク要因です。軽度の場合は無糖ヨーグルトやプロバイオティクス(アシドフィルス)で改善しますが、効果がない場合は医師が抗真菌薬を処方します。
拭き取れないざらざらした白斑があるとき
舌に白くてざらざらした斑点ができるのは「白板症」の可能性があります。過度の飲酒・喫煙・タバコの噛み込み、口内刺激が主な原因です。多くは良性ですが、一部は前癌状態になることがあります。禁煙・禁酒で改善しない場合は口腔外科で外科的除去が検討されます。
舌や手足に赤い水疱ができたとき
発熱や喉の痛みとともに、舌や手足に赤い水疱ができる場合は「手足口病(HFMD)」の可能性があります。小児間での感染が多いですが、成人も罹患します。軽症であれば安静と水分補給で自然に回復します。インフルエンザ予防と同様に手洗い・うがいを徹底すれば感染リスクを低減できます。
舌が黒・黄・模様状・毛羽立っているとき
黒毛舌、黄舌、地図舌、白舌などは見た目が不快に思えることがありますが、ほとんどは無害です。口腔衛生不良、抗生物質・ビスマス製剤・一部のうがい薬の使用、喫煙が原因です。定期的な歯磨きと口腔ケア、喫煙の中止、原因薬剤の見直しで改善します。処方薬を自己判断で中止しないよう、医師に相談してください。
舌が痛む、またはしこりが長期間続くとき
潰瘍や切り傷以外の持続的な痛み、数週間以上続くしこりは口腔がんのサインかもしれません。リスク要因は過度の飲酒、口腔内タバコ製品の使用、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染、他部位からの転移などです。治療法は外科手術、放射線療法、化学療法、分子標的薬などの組み合わせです。早期発見が予後を大きく左右します。
