職場における薬物乱用防止策

米国国立薬物乱用研究所(NIDA)によると、違法薬物使用者の約70%が雇用されている。雇用されている薬物使用者は、アルコールや薬物の問題を職場に持ち込み、生産性低下、欠勤増加、労働災害や怪我の増加、労働者災害補償請求の増加を招く。雇用主にとっては、士気低下、判断力低下、離職率上昇など金銭的に測りにくいが大きなコストがかかる。薬物乱用防止プログラムは、放置すれば改善しない薬物乱用に対し、費用対効果の高い対策となる。

防止プログラムの初期課題

効果的な職場向け防止プログラムを実施するには、まず対象となる従業員を特定する必要がある。友人や同僚が薬物問題を抱えていると認めたがらないため、管理職やスーパーバイザーに対し、薬物乱用の兆候を見分ける方法を教育することが重要だ。例えば、金曜日や月曜日に欠勤が多い、出勤していても生産性が低い、注意散漫や抑うつの様子が見られるなどが挙げられる。これらの兆候は単独では薬物乱用を示さないが、頻度が高く複数が同時に見られる場合は、問題を疑うべきである。

上層部の役割

上層部の支援は、職場の薬物乱用防止プログラムに不可欠である。経営者は社内に従業員支援プログラム(EAP)を設置するか、外部のEAPへの紹介体制を整える必要がある。また、プログラムを他の業務と同等に高い優先度で位置付け、現場管理者に周知させることが重要だ。組織内で業績低下や不正行為、盗難、セキュリティ違反、福利厚生の過剰利用、研修コストの増大などが見られた場合、薬物乱用の可能性がある。EAPの一環として、組織の方針に基づく薬物検査を実施することも検討すべきである。

現場管理者の役割

現場のスーパーバイザーや管理者は、業務パフォーマンスと生産性の基準を設定し、基準を満たさない従業員に対して問いただす責任がある。防止プログラムの効果は、現場管理者が積極的に薬物乱用の疑いがある従業員に対処できるかにかかっている。さらに、問題のある従業員には支援やEAPへの紹介、治療後の職場復帰支援を提供することが求められる。

総じて、組織全体での協働と明確な方針、適切な支援体制が薬物乱用防止に繋がる。

薬物依存 - 関連記事