耳石(オトコニア)とめまいのメカニズム

BPPV(良性発作性頭位めまい症)

耳石(オトコニア)は内耳の尿嚢にある炭酸カルシウム結晶です。これが尿嚢から外れ半円形管に入り込むと、頭の位置に関する情報が脳に誤って伝わり、めまい(Vertigo)や眼振、吐き気、バランス感覚の乱れを引き起こします。

原因

通常、外れた耳石は尿嚢周囲の「暗細胞」に吸収されますが、過剰に外れると半円形管に残ります。加齢、外傷、ウイルス感染、片頭痛、激しい運動などが耳石の脱落を促進します。

診断

医師は「Dix‑Hallpikeテスト」で診断します。患者は座位から頭を45度回転させ、仰向けに寝ます。この動作を左右で繰り返し、眼振の有無やめまいの強さを観察します。

治療

BPPVは自然に6か月以内に改善することが多いですが、めまいを誘発する姿勢を避けることで回復が早まります。乗り物酔い薬は症状を隠すだけです。

クリニックでの治療

主に「セモント法」と「エプリー法」の2種類があります。セモント法は患者を素早く左右に倒す手技で、4回の実施で約90%の効果がありますが、動作が激しいため米国ではあまり用いられません。エプリー法(カナリス再配置手技)は頭を4つの位置に30秒ずつ保持し、再発率は約30%です。いずれの手技も専門医の指導のもとで行う必要があります。

自宅での治療

「Brandt‑Daroff運動」は自宅で行えるエクササイズで、95%の効果が報告されています。1日3回、2週間程度続ける必要があり、短時間のめまいを伴うことがあります。実施前に医師に相談してください。

耳と聴覚 - 関連記事