前庭低機能(前庭機能低下)とは?
症状
前庭低機能の代表的な症状は空間的な方向感覚の喪失です。頭を動かすと症状が悪化し、バランスが取りにくくなります。暗闇での歩行が困難だったり、歩くたびに体が「揺れる」ように感じることがあります。凹凸のある道路を走行したり、高周波の揺れを伴う作業も難しくなります。また、視界がぼやける、めまい(ヴァーティゴ)を伴う、姿勢保持が困難になることがあります。
片側性と両側性
片側性前庭低機能は、片耳の前庭核に問題がある状態です。その耳の神経活動が変動すると、脳は頭部が回転したと誤認し、バランスが崩れます。両側性前庭低機能は両耳に影響し、めまいなどの症状がより強く現れます。片側性から両側性へ進行するケースもあります。
原因
片側性前庭低機能の主な原因は前庭神経炎で、ヘルペス単純ヘルペスウイルスが関与しています。その他、メニエール病、第八脳神経の前庭神経腫、外傷などが挙げられます。
両側性前庭低機能は、アミノグリコシド系抗生物質が前庭毛細胞を障害することが最も多い原因です。その他、髄膜炎、頭部外傷、腫瘍、繰り返し起こる片側性低機能、耳硬化症、放射線治療、特発性変性などが報告されています。
診断方法
診断にはさまざまな検査があります。眼球運動を観察しながら視覚テストを行う、頭部を急激に回転させる頭部刺激テスト、温度刺激(温水・冷水)を耳道に入れて反応を見る方法などがあります。両側性が疑われる場合は、回転椅子に座らせて身体のバランス反応を測定します。
治療
腫瘍などの基礎疾患が原因の場合は、まずそれを治療します。原因が特定できない場合は、リハビリテーションが中心です。適応運動や体位変換訓練、バランス・歩行・筋力強化を目的としたエクササイズが有効です。
