ペンドレッド症候群の治療とサポート
ペンドレッド症候群とは
ペンドレッド症候群(ペンドレッド病)は、遺伝性の難聴を引き起こす疾患です。SLC26A4(PDS)遺伝子の変異により、子どもは両親からそれぞれ変異遺伝子を受け継ぐと発症します。国立生物工学センター(NCBI)によると、遺伝性難聴の約10%がこの症候群です。
遺伝子検査と発症時期
遺伝子検査で保因者かどうかを確認できます。家族に難聴歴がある場合は注意が必要です。出生時に聴力低下が見られることも、3歳までに進行することもあります。
診断に関わる専門医
耳鼻咽喉科医(ENT)
耳・鼻・喉・頭部の疾患を専門とする医師が、内耳の形態異常(蝸牛の奇形や前庭水道拡大)を確認し、聴力損失の程度とパターンを評価します。
聴覚言語聴覚士(Audiologist)
聴覚評価だけでなく、前庭機能(平衡感覚)の検査も行い、必要に応じて補聴器の適合を支援します。
言語聴覚士(Speech‑Language Pathologist)
重度の難聴児に対し、手話やキュー音声(口の形と手のジェスチャーを組み合わせた視覚言語)を用いたコミュニケーション支援を行います。
補聴装置と人工内耳
補聴器
軽度から中等度の難聴に対して、音を増幅し周囲の音を聞き取りやすくします。
人工内耳(Cochlear Implant)
重度の難聴の場合、補聴器では不十分なため人工内耳が検討されます。音を増幅して環境音への認識を助けますが、聴力を完全に回復させるものではありません。
ペンドレッド症候群は治癒できませんが、早期に複数の専門家が連携して支援することで、子どもの言語発達や生活の質を高めることが可能です。
