エストロゲンクリームはどれほど安全ですか?

HRT(ホルモン補充療法)の仕組み

閉経が近づくと卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌が減少します。その結果、ほてり、夜間発汗、不眠、気分変動などの症状が現れます。

HRTは、エストロゲン単独またはエストロゲン+プロゲスチンの組み合わせで、これらの症状を緩和することを目的としています。子宮摘出術を受けた女性にはエストロゲン単独が、子宮が残っている女性にはエストロゲン+プロゲスチンが処方されます。

エストロゲンクリームの使用目的

HRTは経口投与、皮膚パッチ、膣用クリームなどで投与できます。膣用クリームは直接塗布するか、徐放性リングを通じて投与されます。エストロゲンクリームは、閉経に伴う膣の乾燥感の緩和に主に用いられ、用量が高い場合はほてりや他の閉経症状の軽減にも効果があります。

健康リスク

エストロゲン全般およびエストロゲンクリームの安全性については報告が分かれています。メイヨークリニックの報告では、子宮が残っている女性がエストロゲン単独を使用すると子宮がんリスクが上昇するとされています。一方、エストロゲン+プロゲスチンの併用は乳がんリスクを高める可能性があります。米食品医薬品局(FDA)は、経口HRTと同様にエストロゲンクリームにもがんリスクなどの警告表示を義務付けています。

しかし、ニュージャージー州ニューブランズウィックのロバート・ウッド・ジョンソン医科大学の研究では、低用量の結合エストロゲン(コンジュゲートエストロゲン)クリームは閉経後女性に対してリスクを増大させないと報告されています。この研究は、プレマリン(Premarin)を製造するワイエス社が資金提供している点に留意が必要です。

エストロゲンクリームと経口HRTの比較

米国国立衛生研究所(NIH)の報告によれば、膣乾燥に対してはエストロゲンクリームが経口HRTよりも推奨されます。これはクリーム使用時の全身エストロゲン吸収量が経口投与より低いためです。いずれの形態のHRTでも、最低用量・最短期間で症状が改善できるように処方することが推奨されています。

エストリオール(Estriol)を巡る論争

2008年、FDAはエストリオールを含む膣用クリームの調剤を禁じました。エストリオールは体内に自然に存在するホルモンで、従来の結合エストロゲン(妊娠馬尿由来)とは異なります。禁令以前は、調剤薬局がエストリオールとエストラジオールを組み合わせてクリームを調製していました。

この禁令に対し、米国下院はH.CON.RES.342号決議案を提出し、FDAのエストリオール禁止に抗議しましたが、2009年以降特段の進展はありません。現在もエストラジオールは結合エストロゲンの代替として使用されています。

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