血液は胎盤をどのように通過するのか
母体血液の循環
酸素を含んだ母体血液は心臓から子宮動脈を通り、胎盤へと流入します。子宮動脈は胎盤内で細い螺旋動脈(スパイラル動脈)に分岐します。
胎盤バリア
母体血液は胎児血液と直接混ざりません。胎盤バリアは複数の層で構成され、栄養素や老廃物の交換は可能にしつつ、血液の混合は防止します。
物質の交換
母体血液が胎盤内を流れると、胎児の血管が集まる絨毛(しょうもう)に近づきます。絨毛は指状の突起で、ここで以下の交換が行われます。
- 酸素、グルコース、アミノ酸、ビタミン、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンが拡散により胎児血流へ移行。
- 同時に、胎児からの二酸化炭素や代謝老廃物が母体血液へ拡散します。
胎児血液の循環
胎盤で酸素と栄養を受け取った胎児血液は、一本の臍帯静脈を通って胎児の心臓へ戻ります。臍帯静脈は酸素化された血液を全身へ供給します。
母体循環への戻り
酸素を失った母体血液は二酸化炭素と胎児の老廃物を含んだ状態で子宮静脈を経て胎盤から流出し、母体の循環系へ戻ります。母体は肺で再酸素化し、腎臓で老廃物を除去します。
このように、胎盤は母体と胎児の循環系を直接混合させることなく、酸素・栄養・老廃物の交換を行う重要なインターフェースとして機能し、胎児の正常な発育と栄養供給を支えています。
