帯状疱疹(ヘルペス・ゾスター)の概要と対策
帯状疱疹(ヘルペス・ゾスター)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化したもので、水痘を引き起こすウイルスと同一です。水痘が治癒した後、ウイルスは神経細胞に潜伏し、何十年も無症状でいることがありますが、加齢や免疫力低下により再活性化し、神経に沿った激しい痛みと発疹を伴う帯状疱疹として現れます。
リスク要因
- 年齢:60歳以上の人に多く見られます。
- 免疫力低下:HIV感染、化学療法、放射線治療などが原因となります。
症状
- 最も一般的なのは、臀部や体幹部に沿った疼痛と皮疹です。
- 顔面や眼に帯状疱疹が出ると「ラムゼイ・ハント症候群」と呼ばれ、激しい痛みと筋肉障害を引き起こすことがあります。
- 皮疹が出ない帯状疱疹(帯状疱疹無疹型)や、極めて軽微な皮疹(帯状疱疹軽症型)もあり、診断が難しい場合があります。
治療
- 抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル)とステロイドの併用が基本です。これにより疼痛が軽減し、帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症リスクも低下します。
- 鎮痛剤(市販薬・処方薬)や、かゆみ止めとしてのカラミン、結痂後に使用するカプサイシンクリームなどの外用薬も併用されます。
ワクチン接種
- 米国食品医薬品局(FDA)は帯状疱疹ワクチンを承認しており、CDCは60歳以上の成人に接種を推奨しています。
- ワクチンは発症自体を完全に防ぐわけではありませんが、症状の期間と重症度を軽減し、PHNのリスクも下げることが示されています。
帯状疱疹後神経痛(PHN)
- 発疹が治まっても疼痛が続く場合があります。PHNは長期化しやすく、緩和が難しいことがあります。
- 治療法としては、低用量の三環系抗うつ薬や抗てんかん薬、ステロイドの継続投与が用いられます。
- さらに、オピオイド鎮痛薬、リドカイン貼付剤、神経ブロック、電気刺激なども選択肢として検討されます。
