HIV感染の合併症と各ステージの特徴

HIVはCD4陽性T細胞と呼ばれる免疫細胞を標的にし、時間とともに免疫機能を低下させます。この免疫低下は感染の進行段階に応じてさまざまな症状や合併症を引き起こします。

急性HIV感染(Acute HIV Infection)

感染直後に数日から数週間続くインフルエンザ様の症状が現れます。主な症状は以下の通りです。

  • 発熱・倦怠感・頭痛・筋肉痛
  • 喉の痛み・食欲不振・吐き気・下痢
  • 皮疹

これらの症状は約1か月以内に自然に消失し、長期的な後遺症は残りません。

症候性HIV(Symptomatic HIV)

感染から平均10年後に、慢性的なインフルエンザ様症状が出現します。代表的な症状は以下です。

  • 夜間の発汗
  • 真菌感染(口腔カンジダなど)
  • 皮膚・呼吸器の異常
  • 著しい体重減少(エイズへと進行)

AIDS(後天性免疫不全症候群)

CD4細胞数が血液1µLあたり200以下になると、細胞性免疫が著しく低下し、感染症に対抗できなくなります。

機会感染(Opportunistic Infections)

免疫が低下した結果、健康な人では問題とならない感染症が重篤化します。主な機会感染は以下の通りです。

  • 口腔カンジダ(口腔真菌症)
  • サイトメガロウイルス感染(失明の原因になることも)
  • 肺胞マイコプラズマ肺炎(致命的な真菌性肺炎)
  • トキソプラズマ症(脳炎を引き起こす原虫感染)

その他の影響

AIDSはがんのリスクも高めます。代表的ながんは子宮頸がん、リンパ腫、カポジ肉腫(紫色の皮膚病変を伴う)が挙げられます。また、認知症や運動機能障害などの神経症状も見られます。

治療

HIV感染は抗レトロウイルス薬(HAART)と呼ばれる多剤併用療法でウイルス増殖を抑制します。合併症に対しては、細菌・真菌・ウイルス感染に対する専用薬や、がんに対する化学療法・放射線治療が行われます。

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