HIVとはどんなウイルスか

概要

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、レトロウイルス科に属するウイルスで、逆転写酵素(リバーストランスクリプターゼ)とインテグラーゼを利用して、RNAからDNAを合成し、宿主細胞のゲノムに組み込む特徴があります。

歴史

HIVは20世紀初頭に霊長類から人へと感染したと考えられています。研究によれば、パンデミックになる前から既に多様な株が存在していました。ウイルスは自己修復機構がなく、増殖が速いため、RNA配列は急速に変異します。

タイプ

HIVは主にHIV-1とHIV-2の2種類に分かれます。HIV-1は世界的に広く流行し、病原性も高いです。一方、HIV-2は主に西アフリカで見られ、感染力や免疫抑制の程度がやや低いとされています。また、個人の体内で複数の株が混在することもあります。

特徴

HIVはレントウイルス(遅効性ウイルス)に分類され、症状が現れるまで数十年かかることがあります。感染時、ウイルスはT細胞(特にCD4⁺T細胞)に結合し、抗体産生を促します。抗体が検出可能になる時点を血清転換と呼び、診断はこの段階で陽性となります。

重要性

レトロウイルスは逆転写酵素でRNAをDNAに変換し、インテグラーゼで宿主細胞の染色体に組み込むため、宿主細胞がウイルスの製造工場となります。この仕組みがHIVの持続的な感染と増殖を可能にしています。

影響

CD4⁺T細胞が減少し、1µLあたり200セル未満になると免疫機能が著しく低下し、エイズ(AIDS)を発症します。エイズは肺炎、口腔カンジダ症、カポジ肉腫などの日和見感染を引き起こし、健康な免疫系ではほとんど見られない疾患です。

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