脾臓萎縮とは何か
脾臓の機能
脾臓は血液をろ過し、異物や病原体を検出・除去する免疫臓器です。マクロファージや樹状細胞が血中の抗原を捕捉し、B細胞が抗体を産生して細菌やウイルスに対抗します。
脾臓萎縮とは
「萎縮」とは組織が縮小し機能が低下することを指します。脾臓が萎縮するとサイズが小さくなり、血液ろ過や免疫応答が十分に行えなくなります。脾臓機能の低下は「低脾症(ハイポスプラニズム)」と呼ばれ、さらに進行すると「無脾症(アスプラニア)」となり、実質的に脾臓がない状態になります。鎌状赤血球症やセリアック病だけでなく、さまざまな疾患と関連しています。
臨床的意義
脾臓は免疫防御に重要な役割を果たすため、低脾症や無脾症の患者は細菌感染のリスクが高く、感染症が重症化しやすくなります。特に肺炎球菌による敗血症は致命的になることがあります。
危険性
研究(2008年、Medicine Online)によると、無脾症患者の敗血症の90%近くは肺炎球菌が原因です。肺炎球菌は肺炎だけでなく、髄膜炎など重篤な感染症も引き起こします。
予防策
ワクチン接種は敗血症など重篤感染の予防に有効です。イギリスのPrincess Alexandra Hospitalの専門家は、無脾症や脾機能低下の患者に対し、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型、C群髄膜炎菌、インフルエンザワクチンの接種を推奨しています。国や地域により推奨ワクチンは異なる場合があります。
対策と生活指針
脾臓萎縮が疑われる場合は、感染リスクが高まることを認識し、医師と相談して予防接種や感染時の迅速な治療計画を立てることが重要です。
